人手不足が深刻化しています。ずっとスタッフ募集の貼り紙が貼られていたり、お店でお客様が外で並んでいても、スタッフがなかなか店内にお招きできずに回転率が悪くなっている、といったこともよく見られる風景になりました。
かなりの投資をして採用広告を打ったのに全く人が来ないとのお悩みも尽きません。

だからこそ、教育コストをかけたスタッフには長期間働いてほしいもの。

意外なようですが、オフィスの環境改善を手がければ低コストで離職を防ぐことができ、採用に必要な費用も減らすことができます。ここではその理由を見ていきましょう。

オフィス環境構築で、離職率が下がる理由

書類やデータなど、情報が「俗人化」して困るという声は非常に多く聞かれます。つまりどこに何があるかが担当者だけしかわかっておらずに情報共有できていないため、探しだせずに仕事が進まない状態を意味します。担当者不在時に限って「今日中に何とかして」といった問い合わせが来てしまうもの。担当者不在時こそ、オフィス環境が構築できているか否かが問われるのです。

【客先】クレームを回避できる

担当者をつかまえるのに時間がかかると、お客様を長時間お待たせすることになります。互いの情報不足で的を得ない対応を繰り返せばクレームにつながりかねず、担当者同士や会社への信頼関係にかかわる恐れもあるでしょう。

もし取り扱い商品が良いなら、これはとても勿体ない話ではないでしょうか?

【従業員】達成感を感じることができ、従業員間のもめごとが減る

担当者不在でも即応できて、お客さまのリクエストを満たせる機会が増えれば、達成感や成長を感じられる機会が増えます。結果的に従業員の自社への評価が高まります。

一方で、書類やデータがどこに置いてあるかがわからなかったり、各自が「使ったら戻す」を徹底できていなければ、共有品が見つからなくなります。探し回ったり、Aさんが確保していた在庫(商品)をBさんが勝手に使ってしまうなどのトラブルが生じ、もめごとにもつながるでしょう。

 

以前サポートさせて頂いた飲食店で事前ヒアリングしたところ

「冷蔵庫の中に残しておいた食品在庫を勝手に使われてしまった」
「伝票を誰かがどこかに置いてしまい、自分が探し回る羽目になった」

といったエピソードを伺うこともありました。

【従業員】関係性が良くなり、働き方改革にもつながる

仮にトラブルやもめごとを減らすことができれば、各自のストレスも軽くなります。
作業中断もへって本来の仕事に集中できるので、作業効率も成果も上がるでしょう。

職場の居心地がよくなればもっと価値ある仕事に注力できるので、従業員の残業削減にもつながり満足度が上がります。
さらに、情報共有がすすめば業務の引継ぎもスムーズになるため、従業員は時間外に呼び出されることも減って気兼ねなく有休をとれるようになるでしょう。パートタイム職員や産休育休職員とのワークシェアの効果も期待できますし、経営側にとっても人件費の節約にもつながります。

オフィス環境構築=動線改善と仕事の流れの見直し

3人分の労力が2人分に?!、採用しないで済む可能性も出てくる

まず使用頻度の低いものを退避させ、使用頻度の高いものを仕事の流れに沿ってモノを配置すれば、余計なアクションや移動をなくすことができます。短時間で同じ成果を得ることができて、動線のムダが大きなオフィスでは不必要な作業も減ります。
もともと大きな動きのムダがあるオフィスに関しては、予定していた増員そのものが要らなくなってしまうケースすらあります。

例えば、毎日使う扉の前にモノを置いていて、物をどかして作業する場合

扉の前の物をどかすのに30秒、
中身を出してから扉を閉め、どかした物を戻すのに30秒かかっているなら

⇒ 30秒x2回x250日(年間勤務日数)=250分=4.16時間

こういった動作が仮に5種類あるなら
4.16時間x5=20.8時間

 

一見ほんのちょっとの動きのムダに感じられるかもしれませんが、こういった動きの積み重ねは侮れない数値になっていきます。

この「余計なアクション」というのはごく当たり前の動きになってしまっているため、毎日同じオフィスや工場で時間を過ごし、定型業務をくりかえしている当事者ではなかなか気づくことができません。一方、普段その空間にいない第三者であれば「なぜそうなっているのだろう」「なぜムダな動きをしているのだろう」といったことが客観視できるので、当事者が無意識にやってしまっている無駄を発見しやすくなります。

特にプロはよくある無駄な動きや改善策を熟知しているため、大幅な業務効率化も期待できます。

オフィス環境構築が進めば、中小企業の採用と教育がラクになる

2-30代の若手社員はキレイなオフィスが好き

私は会社員時代やむを得ず6社を渡り歩くことになりましたが、「オフィスがキレイだから」という理由でこの会社を選んだと言っている若い女性社員にたびたび出会いました。私が最後に勤務していたIT企業では、エントランスが吹き抜けの心地よい空間になっていて、スタイリッシュな木製のオフィス入口の扉を開けるのを個人的に楽しみにしていた記憶もあります。

形ある商品を持たないIT成長企業では近年特に、オフィスの調度やエントランスにコストをかけて非常にセンス良く、心地よい空間に仕上げている会社が増えている印象があります。応接空間や会議室はもちろん、社員の憩いの空間にも座り心地のよいソファやデザイナーズ家具が心地よく配置され、なかにはハンモックのようなチェア・素敵なマッサージチェアが置いてあるところもありました。2-30代の若手のアイデアを創出するためでしょうか?

 

(2020/1/29追記)
本記事をFacebookで紹介したところ、採用専門コンサルタントの友人がこのような見解を紹介してくれました。
うーん納得・・・↓↓


有能な社員ほど、所属する組織・空間の非効率的な部分が見えてしまいます
から、
オフィス環境改善はとても有益なアプローチだと思います。

先日も面接室が散らかっていた企業さんに出くわし、候補者さんに
「入室1秒でここはないって思いました」と見切られていました。

 

私自身も「オフィスが汚すぎて面接に呼べない」というご依頼頂いたことあります。

極端な例に思われるかもしれませんが、オフィスの見た目を気にする若手は少なくありません。
オフィス環境は選ばれる条件の1つになりうる点は、意識しておく必要があるでしょう。

 

どこに何があるかがすぐわかれば、新人も戦力化が速い。マニュアル整備もお勧め。

入社直後は人間関係づくりがこれからのため、忙しい先輩の手をあまり煩わせたくないと考える新人も多いでしょう。そんな折に、どこで何があるのか・どこへ戻せばよいかが一目でわかったり、「なくなったら補充」などとラベルでアクション表示があれば、自分でもできそうな仕事が見つけやすくなります。

私自身、入社4日目に先輩指示で倉庫内に保管された書類を取りに行ったことがありました。その倉庫では書類保管のルールが徹底されており「倉庫にいけばすぐわかる」の一言で本当に探し出すことができました。4年前に作成されたものがたった5分以内に見つかり、先輩の手元へ持っていくことができましたが、ここまで徹底できている中小企業はなかなかありません。

見てもわからない状態では、入社後日が浅い後輩はどうしても指示待ちとなり、先輩の工数が余計に取られます。誰もがパッと見てわかる仕組みが欲しいものです。また、以前無印良品元社長の講義を受講した際、教育戦略は「徹底したマニュアル整備」とお話をされていました。すぐに見てわかる現場、手軽に見られるマニュアルの整備ができれば、先輩の指示出しも最低限で済むため、新人教育の負担もぐんと減らせるのです。

・OJT(実務を通じた教育)にもコツがある

新人教育の手間はオフィス環境構築でかなり軽減できますが、それでも先輩から後輩には業務を口頭で伝える機会が発生するでしょう。ここで意識したいのが「伝え方」なのですが、同じ仕事内容や注意点を伝えるのでも、言い回し1つで新人に与える印象・やる気を大きく左右してしまいます。できることなら教育係には、新人が前向きになれる言い回しを心がけてほしいもの。

できるリーダーは、部下への伝え方を熟考しています。当方の専門はオフィスの環境構築ですが、もし社員が辞めたくなくなるコミュニケーション術にもご興味があればお気軽にご相談ください。当方は社会人時代には実務で十数名のOJTを担当し、現在は埼玉県より働く女性応援メンターを委嘱されて 100名超の男女のキャリア相談にも乗っております。

その他、各地で開催されているリーダー講習、アサーティブコミュニケーション講習などで学ばれるのもお勧めです。

■まとめ

採用広告を出してもなかなか人は来ません。だからこそ、今いる社員と、せっかく来てくれた応募者をなるべく取り逃さない工夫が必要となるでしょう。オフィス環境改善は事業規模に関係なく、今すぐ低コストで始められる手段の1つとして非常に有効です。有能な社員の離職を防ぐためにも、1日も早く取り組まれることをお勧めします。

今日もここまでお読みくださりありがとうございます。

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